フライト・スプリット

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フライト・スプリット

2017.05.09/

旅客機を縦に輪切りにしたような模型。客室の足元に貨物スペースがあります。
(掲載元: Wikipedia エアバスA300参考画像より)

 

航空貨物は一人の荷主からひとつの荷受け先に貨物を送る時一つの航空便のスペースを押さえた(1 Master Air Waybill)としても全ての貨物が同じ飛行機に載らない事があります

 

フライト・スプリットと呼ばれますが輸入側では1 Master Air Waybill(1MAWB)上の全ての貨物が輸入側の空港に着いたことが確認されなければ輸入通関の手続きに入ることはできません特に緊急貨物で到着地で今か今かと待っている時にスプリットになったりすると段取りを付け直さなくてはなりません

 

夜ならば通関士の人にも居て貰うようにしなければならず、それだけで人件費がかかります。それに空港というのは大抵辺鄙な所にあるので、帰りのタクシーも要るでしょう。

 

到着後に貨物を載せるトラックも、例えば日本国内ならばあまり待たせると”待機料”というものが掛かります。緊急貨物なら、荷受先の住所が近隣のものを集めて載せた混載トラックなどでなく、チャーターのトラックを手配します。チャーターなら飛行機の到着時間に合わせてトラックが荷物を受け取りに来てくれ、目的地に直行してくれるので、混載トラックより早く荷物を届けられ、到着時間の指定などもできます。もちろん混載トラックより料金は高くつきます。

しかし同時に、フライト到着時間に合わせてトラックを手配するからこそ、1MAWBのすべての貨物が到着するまで、場合によっては何時間か待機してもらわなくてはならないこともあります。ですがトラックは荷物を積んで走って、初めてお金になるもの。特に短距離ならば、1日のスケジュールがいくつかあって、貨物を引き取って走って荷降ろしすれば、すぐに次の別の貨物を引き取りに行かなければならない事が普通です。

それにトラック会社と言うところは、ドライバーさん毎に出来高制になっているところが多く、そんな風に運悪くスケジュール通りに引き取りや荷降ろしができない現場に当たれば、動きたくても動けない、つまりは稼ぎたくても稼げない事態になってしまいます。トラック会社も新しく別のトラックを探さなくてはいけません。そういった事態をカバーする為にも、トラック会社は待機料というものを設けているのです。

 

旅客機の貨物スペース。あくまで機材の一例ですが、一緒に写っている人と比べてみると、その大きさがわかりますね。
(掲載元: 豪州ロジスティックスHPより)

 

フライトスプリットになり易いのは、旅客便への搭載を予約した混載貨物と言われています。先日、航空便の混載貨物の、MAWB上の荷送り人は混載業者である事をお話ししましたが、混載は色々な実荷主の貨物を集めている為1MAWBの貨物量が多く、輸入地の航空会社の上屋での貨物の引き当て作業に時間が掛かります。一日に何便もの同じ航空会社のフライトが飛んでくる、例えば香港や中国の上海などならば、一便のフライトで飛んで来た同MAWBの貨物を引き当てている間に、同航路の同じフライトが到着してしまう事もままあるでしょう。それに旅客便ならば貨物専用機と違い、旅客の荷物なども載せなければならず、だいいち貨物スペースが狭い。ならば貨物を効率よく積んで飛ばす為に、1MAWBの貨物を2〜3便に分けて飛ばしても問題ないはず、という思惑があると考えられます。

 

そして、その貨物が混載業者の仕立てた混載貨物であるかどうかは、書類上で一目瞭然です。MAWBを見ても荷主名で分かりますし、併せて混載便にはマニフェストというものが付いています。このマニフェストというのは、そのMAWBに対しどのHouse Air Waybill(HAWB)が結びついているかなどが明記されているものです。逆にこのマニフェストが付いていないもののMAWB上の荷送り人は実荷主となっています。

 

旅客便への搭載を予約した混載貨物で、かつ同じ航空会社から一日に何本もフライトが飛んでいる仕向地ならば、スプリットになる可能性がある事を考慮しておく必要があるでしょう。それは日本着、日本発どちらでも起こりうる事。ハンドキャリーで万が一同じようなことが起きたなら大変な騒ぎ!大クレームものですが、一般の航空貨物ならば実は決して珍しい事でもないのです。緊急貨物なのにもしスプリットになる条件が揃っているのなら。予めそれを見越して段取りする事が必須です。

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