検量・検尺、誤差の範囲内ならO.K.。誤差の範囲って?

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検量・検尺、誤差の範囲内ならO.K.。誤差の範囲って?

2017.03.31/

JALのカウンターで荷物を預けているところ。
(掲載元: 日本航空HPより)

 

ハンドキャリーをする際、使う航空会社や行き先などにより預け入れられる荷物の個数・重量・サイズに制限があり、予め貨物の検量・検尺が必要です。あなたが海外旅行に行く場合ならわざわざ自分の荷物を測ったりはしないでしょうが、ハンドキャリーは預け入れられる制限のぎりぎりまで荷物を運ぶ事もよくあり、空港に持って行ってからやっぱりこれは載せられない、なんて事がないようにするためにも、重量・サイズ・個数は把握しておきたいところです。

 

ハンドキャリーではなく通常の航空輸送や海上輸送に関しても、輸送料金計算や使用コンテナの決定等に必要なので、どんなに緊急の貨物であっても検量・検尺が行われます。たとえ出荷元から重量・サイズが知らされていても、輸出申告を行う倉庫に入庫した全ての貨物は検量され、サイズ・重量が輸出者から連絡のあったものと大差なければ、多くの輸送業者が輸出者から連絡のあったサイズ・重量で船便や航空便の予約、輸出申告を行います。

使用する梱包資材が何種類かに限られていれば、種類ごとの
重さを予め把握しておくことも可能ですね。
(掲載元: 一般社団法人すたーハウス公式サイトより)

 

この検量、場合によっては出荷元・通関業者・輸送業者でそれぞれ行われる、つまり同じ貨物を何度も測ることになる時もあります。出荷元からサイズ・重量の連絡を受けていても測ってみたら違っていることもよくあるからです。例えば重量。出荷元によっては、製品そのものの重量×数量と梱包資材の大まかな重量を足して算出しているところもあれば、測量計で計測していたとしても測量計自体が正確でなかったり、ということもあります。内勤の者から現場の者に出荷元から連絡されたウェイト・サイズは伝えられ、実検量値は現場から内勤の者に伝えられます。そこで大差なければ出荷元のウェイト・サイズが申告やブッキングに適用される訳です。

 

  • “大差なければ”、或いは”誤差の範囲内なら”。各所で行われる検量の度にそう言った判断基準が用いられるのですが、何かと約束事の多い国際物流業界で、そんな主観に左右されるような言葉が使われるのは珍しいことと思いました。1個300キロの貨物が実は305キロだったりとしても”誤差の範囲内”である事は私にもわかります。3キロの物が実際は8キロだったら”大差がある”ことになるでしょう。でも、30キロであるはずの物が35キロあったら??新人の頃のある日、私はこの”大差””誤差の範囲”という曖昧な言葉の、曖昧でない「定義」を探し求めることにしました。なかなか長丁場を覚悟していたのですが、一番身近な先輩に訊いてみると、あっさり答えが返ってきました。正解は、「3%」。

 

 

貨物を検量している様子
(掲載元: 株式会社シンケンHPより)

 

その当時は航空輸送のみ手配していたので、後々海上輸送にも関わったり、別の会社で働くようになったりして、改めてその「3%」という数字を検証してみると、「5%」と「2-5%」という数字が浮上してきました。残念ながらはっきりとその数字の根拠と言えるべき法律等は見つかりませんでした。SOLAS条約(海上における人命の安全のための条約)でも、明確な数字についての言及はされていないようです。そんな中、「5%」というのは誤差の”範囲内”とする説と”範囲外”とする説の両方があり、つまり境界上の数字なので、私の先輩が教えてくれた"3%"という数字は、曖昧さを避けつつも諸説をしっかりと受け止めた、何とも優秀な数字であるようです。

 

今日は大変細かいお話をしましたが、何しろ国際貿易はこんな細かいお話がとても多い世界です。今回はまさに右も左も分からない初心だった頃の私が私的に調べた事をお話ししましたが、大らかな人でなくとも時々「どうでもいい!!」と叫びだしたくなるような事柄について大真面目に時間をかけて議論しなくてはならない時もあります。しかし、その分他の業界よりも、ほとんど全ての事に「正解」が存在することが魅力であるとも言えますね。

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