航空輸送経由便のリスクダメージ頻発、手で運べないのはお断り?!

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航空輸送経由便のリスクダメージ頻発、手で運べないのはお断り?!

2017.03.08/

 

ANAの旅客機に貨物を積み込む様子(参照:(株)メイワスカイサポートHPより)

 

航空便で貨物を輸送する際、海外旅行と同じように、もちろん経由便で輸送する時もあります。直行便の方が経由便より早く目的地に到着しますし、そうしたいのは山々。それでも経由便を使うのには、さまざまな理由があります。それほど急がないので経由便を使って輸送コストを抑えたい場合、直行便の貨物の搬入締め切り時間に間に合わない場合、そもそも送り先の空港への直行便がない場合などがあります。しかし、経由便を使うことにより輸送費のコストダウンを図ったつもりが、逆にトラブルにより余計な費用や損失が出てしまうこともあります。

 

輸送中のトラブルで一番多いのが、貨物のダメージと言えるでしょう。特に日本企業は、外装も含めた貨物の全体を”商品”として考えるため、実際、中身の商品に損害が無く、パレットに積んだカートン箱に潰れ皺ができただけであっても、きちんとした報告が求められます。買い手の立場で考えると、素晴らしい売り手ですね。なので、フォークリフトの刺し跡なんてもっての外!それが度重なろうものなら、すぐに改善策が必要となってきます。

そんな日本のお国柄とも言うべき丁寧さがあるからこそ、国内での経由に関しては、ダメージの心配は低いと言って良いでしょう。作業員の方はきちんと指導・教育を受けて、貨物の取り扱いに細心の注意を払ってくれています。ですが、国外ではどうでしょう。

 

実は、輸送する便を選定する時、貨物輸送代理店としては、海外で経由する便はあまり使いたく無いのです。もちろん、良い値段で交渉できた航空会社ならば使いたいのですが、値段が安くもないのなら、海外での経由はいくつかのリスクを伴います。その一つがダメージなのです。

 

航空機から荷物を降ろして新たな航空機に搭載する、それだけでダメージリスクは高まりますが、それが海外で、となると、教育の行き届いたスタッフのいる空港だとは限りません。大量の貨物を、全て日本企業が満足できるような丁寧な扱いで捌いてくれるという保証もないのです。あまりに粗っぽい扱いをされれば、中身の商品にまでダメージが及ぶかもしれません。

 

おまけに経由便があると言うことは、日本から出た便が時間通りであっても、セカンド以降の便が遅れたりキャンセルになることだってあるんです。今日届くはずのものが明日以降にならないと届かないとなると、その貨物が急ぎのものであれば、クレームの対象となるでしょう。

 

JALのプロペラ機。後方でバゲージを積む様子が見えますね。(参照:フォートラベル(株)HPより)

 

そんな”リスク”ばかりが海外での経由の問題ではありません。あれは確か、イタリア領の地中海にある島に貨物を送ろうとした時のことです。そんなところに当然日本からの直行便があるはずもなく、経由便を予約しようとしました。送るものは木の箱に入った機械部品でした。数十キロ位のものだったでしょうか。

 

航空会社に予約しようと貨物の大きさなどを伝えると、「すみません、その重さだと運ぶことが出来ません。」と返事が返ってきたのです。2〜3トンあるようなものだと、載せられないと言われることもありますが、木箱1個、数十キロのものです。こんなものが載せられないとは、スペースがいっぱいなのだろうか、何とかならないだろうか、なんて思いを巡らせていました。すると航空会社からの説明はこうでした。「日本からイタリア本土の空港に着いた後、その島に行く別の飛行機に載せるが、その飛行機が小さなプロペラ機で、あまり荷物が載らない。それもあって貨物の搭載は職員の素手で運んでいる。フォークリフトなどの機材は使用していない。だから、素手で運べないようなものはこの島に送ることが出来ない。」、との事でした。

 

衝撃の理由に、ちょっと楽しい気分になってしまいました。とはいえ対処はしなければならないので、お客様に説明し、木箱の中身をカートン箱に小分けして梱包し直し、運ぶことになりました。説明をした時、お客様も「そんな事ってあるの?!」と、心なしか楽しそうな様子でした。
それぞれの国や街ににそれぞれの事情がある。それにひとつひとつ対応して行くことは大変ですが、そこが国際輸送の面白いところでもあります。

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