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2022.01.01/ハンドキャリー
今回は、ベトナムでのハンドキャリー荷物における税関規定についての記事を書きます。
主にベトナムのハノイ・ノイバイ空港とホーチミン・タンソンニャット空港の規定を参考にしています。
ベトナム – 日本間のフライトは本数こそ多くはないものの、ホーチミン・ハノイ共に深夜便と早朝便があるのでハンドキャリーを使うメリットは大きいです。
夜中22時に荷物が空港に到着できれば翌日朝8時には成田空港に到着、もしくは朝4時までに荷物が空港に到着すれば同日15時には成田に到着というスケジュールがほとんどです。
ありがたいことに今年はベトナム発着のハンドキャリーがとても多かったのですが、複雑なベトナムの通関事情を都度ご案内するのに時間がかかってしまいましたので、このコラムで整理しておきたいと思います。
Contents
基本情報として、ベトナムで商業貨物の輸出入をするためにはすべて業務通関を行う費用が発生します。
個人の荷物として輸出入をしてよいのであれば、旅具通関という形式で申告することができますが、荷物内容によっては税関から認められないケースが多々ありますので注意が必要となります。
また、それ以外に税関からお金を要求されるようなことは今でもありますが、そちらについては本件では触れないでおきます。
さて、ベトナムでの業務通関について説明させていただきます。
ハノイとホーチミンで内容が共通する点と異なる点がありますので、それぞれ説明させていただきます。
ベトナムでは一般的に輸出入する企業が所在する地区を管轄している地方税関へ申告をし、仮の許可を得た後に空港税関へ再度申告をし実際の荷物と仮の許可書の内容を照合し問題がなければ正式な許可となります。
例えば輸出の場合であれば、地方税関へオンラインの申告ステム(VNACCS)で申告をかけます。
申告をすると税関から下記の通り振り分けられます。
これは日本の区分1、2、3と同じ認識です。
過去の輸出入の実績やHSコードによって振り分けがされます。
もしグリーンで返ってきたら、転送手続きをかけ書類と荷物をもってホーチミン・ハノイの空港税関へ行き、荷物がすべて航空会社の預け入れ荷物として搭載されたかを確認して完了となります。
イエローであれば、インボイス・パッキングリストなどの書類を税関へ提出が必要、レッドであれば税関指定の場所へ荷物を持っていき検査となります。書類審査や検査が完了となったら、空港税関へ行くという流れになります。
輸入の場合は、荷物がベトナムの空港に到着する前に、”事前に”地方税関へ申告をかけます。
グリーンであれば、仮の輸入許可書を空港に持っていきます。
イエローであれば通関書類を税関に提出します。
出張者の方が空港に到着し、バゲージレーンで荷物をとったあと、赤いゾーンの税関(Things to Declare)に行っていただきます。
弊社の通関士がゲート外で書類を持って待機していますので、税関職員にゲートまで行って書類をとってもらうよう依頼してください。
その書類内容と荷物の内容を確認し、問題がないと空港税関職員が判断すればそのまま輸入許可となります。
レッドの場合
レッドの場合は、空港税関職員立会のもと検査を行い、問題がなければ輸入許可です。
検査の場合、空港の旅客ターミナルで行うのであれば良いのですが、税関職員の判断によっては貨物地区へ荷物を移動させる必要が出てきてしまいます。
その場合は物量にもよりますが、時間は6時間程度多めにかかりまし、税関の開庁時間外になると翌日にまわされることもあります。
ここは通関士と税関職員の関係性が大きく影響してくるところになります。
弊社の場合、ハノイ空港税関であれば臨時開庁も受けてくれますし、検査も旅客ターミナルで完了することがほとんどですので、仮に検査になっても最短手配が可能です。
ホーチミン空港税関はどの業者にも臨時開庁は認めておりませんが、検査は旅客ターミナルでさせてもらっています。
後ほど記載しますが、ホーチミン輸入の場合、すべての荷物は検査となります。
また、注意点としてグリーンで出たとしても空港税関の職員が要検査と判断した場合は検査になることもあります。
ベトナムにあるEPE(輸出加工企業)の輸出入通関の場合には注意が必要です。
先述した最初のステップ、地方税関への申告についてです。
ベトナムでは一般企業の通関申告については、申告先の税関は特に指定がありませんので、どこの税関に申告するも可能です。
ただ、EPEの場合は、その企業が所在している地区の税関に申告しなければなりません。
ベトナムではすべての地方税関がハンドキャリーの申告を認めているわけではありません。
よって、そこの地方税関がハンドキャリーを認めない場合、申告ができないです。
一般企業の場合、その企業がどこに所在していても申告先は自由ですので、弊社がいつも申告しているハンドキャリーを認めている地方税関に申告することが可能です。
大きな違いは税関が臨時開庁するかしないかです。
ホーチミンの地方税関は臨時開庁を認めてくれませんので、午後16時30分には業務終了となります。
ハノイの地方税関は残業代を支払う必要はありますが、夜間でも早朝でも対応してくれます。
両方とも空港税関はフライトがある間は常に対応しています。
輸入時も上記の臨時開庁については同様です。
ホーチミンではハンドキャリー荷物はすべて検査となっています。
空港税関へ申告すると別室に職員と移動をして、開梱検査をすることが多いです。
ハノイではグリーン、イエローであれば検査になることはほとんどありませんのでスムーズに輸入が可能です。
ホーチミン税関 (時間外対応不可)
通常開庁時間: 08:00 – 11:30 & 13:30 – 16:30
ハノイ税関 (時間外対応可能)
通常開庁時間: 08:00 – 11:30 & 13:30 – 16:30
以上です。
長くなりましたが、ベトナムでのハンドキャリー業務通関と簡単な旅具通関についてまとめてみました。
もしわかりにくい点などがありましたらいつでもご連絡ください。
弊社はハノイにも現地法人がございます。
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