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2022.01.01/ハンドキャリー
今回はハンドキャリー貨物におけるアメリカ輸入通関規定について詳しく書いていきたいと思います。
後ほど詳しく記載しますが、規定に一部変更がありましたので現時点の最新の情報をアメリカ税関のホームページを引用してご案内いたします。
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U.S. Customs and Border Protection 略してCBPと言います
アメリカの税関はこのCBPという機関が管理しており、ここのホームページを見るとハンドキャリー以外にもフレイト貨物の輸出入、引っ越し貨物の輸入方法など色々と書いてあります。
ただ、量が多いのと当然ですがすべて英語なので隅から隅まで見るには、相当な労力が必要だと思います。
CBPは60,000人ほどの従業員を抱える巨大組織です。ちなみに日本税関の平成29年度の従業員は約9000人なので、その差が歴然ですね。仕事量においても、一日あたり100万人の入国者がいて、67,000個のコンテナーをスクリーニングして、1,100人以上を逮捕し、6トンの非合法ドラッグを発見しています。年間ではなく、月間でもなく、一日あたりです。
アメリカ税関についての説明はこれくらいにして、本題のハンドキャリー時の通関方法についてご説明しますね。
まず、アメリカではInformal EntryとFormal Entryというものがあります。
日本で言う旅具通関と業務通関というものがあります。性質は多少異なるのですが、おおまかなところは一緒です。
Informal Entryが旅具通関で、Formal Entryが業務通関です。
どのような時に旅具通関ができて、どのような時に業務通関が必要なのかという点ですが、簡単に言うとインボイスに記載されている貨物価格によって変わります。厳密には貨物によってできるものできないものがあるので、詳しいことが知りたい方は当社までご連絡ください。
貨物価格がUSD2,500を超えるものは、どのような貨物であってもすべて業務通関が必要
貨物価格がUSD2,500以内のものは、基本的には旅具通関で輸入できます。
2013年1月7日にUSD2,500に増額になりました。それ以前はUSD2,000となります。
旅具通関については、日本同様にインボイス(英語)を提示し、関税を納税してリリースとなります。
また、昨年から税関より新たに要求されている点として、ハンドキャリーする方は荷物がどのような内容でHSコード番号が何かを税関へ伝えられるようにしておくということことです。
関税率はフラットではなくHSコード(厳密にはアメリカ輸入はHTS)によって細かく分類されています。
業務通関については下記の3つの方法で輸入通関ができます。
日本と同様に、アメリカでは個人でも書類がしっかり準備できれば業務通関はできてしまいます。ただ、荷物は税関職員が貨物ターミナルに移送しますので時間が大幅にかかること、個人がすべての通関書類を用意するのは大変で何かトラブルがあった時に対応ができないので非現実だとは思います。
ハンドキャリーの貨物は緊急性が高いことが多いので、当社では通関士による事前申告を採用し確実安全に輸入手配をしています。
となります。これは原本である必要はなく、PDFデータを輸入者から通関士に送ってもらって大丈夫です。
必要書類をすべて通関士に送った後は、通関士がオンライン上で税関に申告を行います。仮許可が出たらエントリーコードという番号が発番されるので、その番号をハンドキャリアーがアメリカに到着するまでに伝える必要があります。
到着し、荷物を引き取ったあとは、税関に行きFormal Entryの貨物がある旨を伝え、エントリーコードを見せてください。
申告された内容と現物が同じなのか確認をし問題なければすぐにリリースされます。関税などは通関士が立替えることになります。
以上が輸入通関の流れとなります。
最後に1点注意したいことがあります!
メキシコ向けなどでアメリカを経由する場合でも、一部の路線を除き荷物はアメリカで一旦出てきてしまいます。そのため、アメリカでは必ず通関をする必要があります。
アメリカで輸入するわけじゃないから、関税は発生しないだろうと思うのですが、アメリカではトランジット通関という概念はなく、業務通関の場合は課税対象の貨物であれば単なる経由であってもアメリカにて納税が必要になります。そのため、アメリカでも納税しメキシコでもまた納税となります。
アメリカでの通関サポートが必要な場合は、いつでも当社までご連絡ください。
ハンドキャリー・緊急貨物のご用命はオプテックエクスプレスまで!