ドライバーから見た国際貨物〜ある”運転手さん”のお話〜

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ドライバーから見た国際貨物〜ある”運転手さん”のお話〜

2017.03.27/

国際物流には実に多くの人の手が掛かっており、意外なところでその一端を担う方と出会うことがあります。同じダンボールをいくつも持って、今から中国方面に向かおうとしている空港で見るハンドキャリーの団体、英会話学校のネイティヴの先生の前職が、空港の航空会社の上屋の荷役担当だったり。身近なところでそういった職業に就いている、或いは就いていた人に出会うと、思わぬ話で盛り上がってしまったりします。中でも私が驚いたのは、私用で乗ったマイクロバスの運転手さんが、以前は大型トラックで荷物を運んだり、コンテナのドレージをしていた方だと分かった時でした。

コンテナを引いてさぁ出発(掲載元:通関士ポータルより)

 

 

それはそれは気持ちの良い「お疲れさん!」を言ってくれる気のいいおじさんで、マイクロバスを運転するのにはどういう免許が要るのか、なんていう話題から日本全国の津々浦々をめぐる話、北海道から大阪まで走る話、ろくすっぽ寝ずに荷物を運んだりした話、と話に花が咲き、おじさんの過去のドライバー歴をいろいろお話ししてくださいました。

貨物を動かそうという時。そこには必ずと言っていい程ドライバーさんが存在します。緊急貨物をどんなに急いで事務の人間が手配しても、ドライバーさんがきちんと安全に時間通りに荷物を運んで下さって初めて、輸送手配が意味をなすのです。また、事務の人間の手配がモタモタしていたら一番割りを食うのも、現場やドライバーさん達でしょう。それは国際物流でも同じで、輸出するにも輸入するにも、港や空港から倉庫や工場を繋ぐのにドライバーさん達の活躍があります。
私がそんな風に世の物流を支えている人たちに思いを馳せながら運転手さんと荷卸しの話をしていた時、ふと運転手さんが独り言のに呟きました。

 

「・・・外貨は楽やねん・・・。」
私はびっくりしてしまいました。まさかこんなおじ(い)さんの口から、”外貨”という言葉が出ようとは。しかも、こんな私用でたまたま乗った車の中で。

 

 

今から荷卸し開始です。(掲載元: 松岡満運輸 採用情報サイトより)

 

日本国内を外国貨物がトラックなどで移動することを、OLT(Overland Transport)と言います。事務方の人間からすると、OLT貨物の手配は何となく気持ちが引き締まるというか、手配自体がさほど手のかかるものでなかった場合でも、少し気が重く感じるものだと思います。外国貨物を扱うのですから、その動きはあらかじめ申告した通りに行われ、何時何分にどこの保税地からどこの保税地に保税トラックで輸送されたか、きちんと記録されるので、そのせいもあるかもしれません。

 

しかし、この運転手さんは”外貨は楽”とおっしゃいました。
理由はこうです。内貨であれば仕向け地や集荷元別に、積んできた荷物を数えながら分けて荷卸ししなければならず、しかし、外貨であれば混載で積んでくることはなく、集荷先でただ積み、降ろし先でただ荷卸しすれば良いから、との事でした。数さえ数えれば良いだけなのだそうです。

 

色々な人が関わる国際物流だからこそ、持ち場によっても様々な考え方があり、その一端を担っていたこの、自分のことを”運転手さんなぁ、”と言うお話好きのおじさんのお話は、事務方ばかりしていた私にまた新たな視点を教えてくれたのでした。


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