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2017.09.08/
本日は日本酒の輸出についての記事を書いてみようと思います。
国税庁によると、平成28年度の酒類の輸出金額は、対前年比110.2%の430億円。
5年連続右肩上がりの過去最高だそうです
品目別でのシェアは、清酒36.2%、ウイスキー25.2%、ビール22.1%。
清酒の輸出総額は156億円と、7年連続過去最高を記録しました。
世界的な和食人気に伴って、海外でも日本酒 “SAKE”の愛好家が年々増えているようです。
そして、現在さらなる海外市場の拡大を目指し、
行政はもとより、酒造メーカー・流通業者・JETROなどが連携して、
日本酒の輸出促進のための様々な取り組みが行われています。
~Sakeの海外戦略:1~世界に広がる日本酒、注目のマーケットは?
http://hanjohanjo.jp/article/img/2016/07/05/6138/29347.html
酒類を輸出するためには、「輸出酒類卸売業免許」を取得する必要があります。
酒類の輸出入は他の食品と違い、国税庁の管轄になるため、
地域の税務署に申請します。
申請時には、輸入予定者や仕入れ予定先を取り決めておく必要があり、
免許を取得するまでには2ヵ月ほどかかります。
また、酒造業者が支払う酒税については
輸出申告時に『輸出免税酒類証明申請書』を提出することで還付されます。
申請者は輸出者ではなく、酒造業者になります。
そして貿易でカギとなるのはたいていの場合、輸出よりも輸入です。
酒類輸入の規制は国ごとに異なるため、
相手国の輸入規制について、前もって正確に把握しておく必要があります。
酒類の輸入許可や、輸入者の酒類輸入ライセンスが必要な国もあるので、
輸入者によく確認してもらいましょう。
日本酒は賞味期限がありませんが、相手国向けのラベルには
賞味期限の表示義務がある場合もあります。
スムーズな輸入通関のために、ラベルの表示内容や、日本での検査証明、
原産地証明、衛生証明書など必要な書類や、
商品の規格など、輸出する日本酒の情報を準備しておくことが大切です。
酒器や販促物を同時出荷する際は、
材質や原産地など、メインの日本酒と同じように
通関でチェックされるので、問い合わせに答えられるように
資料を取り揃えておきましょう。
思わぬところで足をすくわれて、通関で止まってしまい、
納品期日に間に合わない、なんてことにならないように。
外国人の「日本酒」爆買いが止まらない。世界に広がる地元のSAKE
http://jimococo.mag2.com/zenkoku/166923
日本酒の輸送にあたり、品質管理のための温度管理が必要になります。
重量のある日本酒の輸送は航空便ではコストがかかるため、
船便で安く輸送したいところです。
輸送中も温度管理を必要とする日本酒は、
海上で庫内温度が高温になるドライコンテナではなく、
コンテナ内の温度が設定できるリーファーコンテナの船積みになります。
リーファーコンテナの欠点は、貨物によって温度設定が違う為、
少量であってもコンテナ1本を仕立てなければならないところでした。
しかし、日本食品の輸出の拡大に伴って、
現在では様々な物流業者が、リーファーコンテナの混載便サービスを開始。
コンテナ1本に満たない小口貨物も、適切な温度での輸送が可能になりました。
日本酒の海外躍進のためには、やはりこうした物流業界との連携が不可欠ですね。
『冷凍コンテナ4,700本を新規調達、運用4万本に
―需要拡大予測の成長分野に積極投資―』 日本郵船ホームページ
http://www.nyk.com/release/4207/004542.html