航空貨物の荷送り人としての信頼

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航空貨物の荷送り人としての信頼

2017.05.01/

航空輸送の混載便は、混載業者である国際貨物代理店がMaster Air Waybill(MAWB)の荷送り人となり、多くの実荷主の荷物をまとめて1MAWBとして、航空会社に対し航空便のスペースを予約します。航空輸送は貨物の重量、もしくは容積重量のどちらか重い方が料金計算の基準となり、その料金計算の基準となる重量が重ければ重いほど、1キログラム当たりの料金は安くなります。よって1MAWBに対し、実荷主が荷送り人となるHouse Air Waybill(HAWB)の数が多ければ多いほど混載業者の儲けは大きくなります。

 

多くの貨物の輸出の仕向地となる各国の主要都市への航空便は、予めスペースを押さえておく業者も多くあります。
(掲載元: (株)パソナ 貿易キャラナビTladyより)

 

混載業者も大手ともなれば、台北、香港、中国の上海、青島(Qingdao)、深セン(Shenzhen)や、シンガポール、ローマ、ヒューストン、ブリスベン、バンコクなど、世界各国の主要都市へ向かう飛行機のスペースを予め押さえておき、通関日当日、実際にその仕向地に対して集まった貨物の重量と個数・サイズが分かってから改めてスペースを予約し直したりします。

 

しかし、このフォーキャストでの予約が泣き所なのです。
航空貨物は知っての通り緊急を要するものが多く、船便に間に合わなかったものや、船の遅延や欠航によって急ぎ必要になったものを送ったりすることも多いので、通関日当日に出荷依頼が入ってくることもよくあります。

 

この様なコンテナに貨物を入れて航空機に搭載する場合もあります。
(掲載元: ケイヒン(株)HPより)

 

前述の通り混載業者としては貨物をできるだけ集めたい。だったら大きめにスペースを取っておいたら良いではないか、と、そういう訳にもいかないのです。航空会社にしてみれば、大きめにスペースを取られていたものが、フライトが近くなってやっぱりそんなにスペース要らなかった、となると、航空会社の売り上げに響きます。早めにその混載業者の荷量が確定して余分だったスペースが空いていれば、取れた別の荷送り人からの予約もあったことでしょう。そこは緊急性の高い航空貨物の現場。仕方ないことといえば仕方ないですが、その中で各者が生き残っていくには、仕方ない、とは言っていられません。

 

大幅な荷量の減量が相次げば、MAWBの荷主である混載業者の信用が低くなり、予約が取りにくくなります。かと言って少なく取っておけば実際多かった時に増えた分のスペースが押さえられなかったりもしますし、そうなると混載業者自身の儲けが少なくなります。航空会社としても、多くの貨物を集めたいがあまりにも不安定なブッキングを入れてくる荷送り人を信じ過ぎれば、痛い目に遭う。そういうジレンマの中を各者が生きているのです。

 

こちらは旅客の手荷物の入ったコンテナ。チェックイン時に預ければ、ハンドキャリーの貨物もこういうものに入れてから航空機に乗る場合もあります。
(掲載元: 羽田空港グランドサービス(株)HPより)

 

特にスペースタイトな仕向地の時は要注意。いつ、どの仕向地へのフライトが混んでいるかは、大手の混載業者をコンスタントに利用していると、情報をメールマガジンの様に配信している業者もあります。各社のホームページからも見れたりするところもあります。でも、そんなことをする前に、単純に着地側の連休前後は混む事が予想されます。中国で言うと中秋節・国慶節や旧正月前後ですね。その頃は中国のどこの都市へ行く便もパンパンです。旅客便しか就航していないところに向かう便をブッキングしようとしたら、家族と休暇を過ごす為に飛行機に乗る旅客の貨物だけでいっぱいで、貨物予約は受け付けられない、という事もあったほどです。休暇が始まる一週間も前に予約しようとしてその状態だったのです。これは荷送り人としての信頼とは別の話ではありますが、その位ブッキングが難しい時期だという事を知っておいて損はないはずです。

 

今回は主に混載業者を主役にしてお話ししましたが、混載業者でなくとも、例えば商社やメーカーで、MAWBの荷送り人となる時は気を付けなければいけません。特に大きなスペースを押さえる時は慎重に予約するべきです。メーカーから送られてきた貨物が実検量値と大幅に違っていた時。入荷するはずの商品の生産が間に合わなかった時。実荷主がMAWBの荷送り人となるのは余程の緊急貨物でしょうが、何度も荷量変更やキャンセルをしてしまえば、荷送り人としての航空会社からの信頼を、失いかねないことになるやも知れません。

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