食品のみならず!守られている私たちの食の安全

コラムでは、物流に関する記事だけでなく世界各国の空港情報や旅行情報など、幅広く記載させていただきます

食品のみならず!守られている私たちの食の安全

2017.06.27/


  • 輸入食品のお店。
    珍しいものが沢山並んでいるので、筆者もよく行きます。
    (掲載元: タウン情報ラズダweb KALDI COFFEE FARMゆめタウン出雲店 店舗情報ページより)

 

  • 最近は大型ショッピングモールや大きな駅の近くなど、そこかしこに輸入食品のお店が沢山出店していますね。普段行く様な国産の生鮮食品を多く扱うスーパーとはまた違った品揃えに、見ているだけでワクワクしてしまいます。どういう素材でできているのか、どんな味がするのか、見当もつかないような外国のお菓子や、オーガニックのお茶など。少し値は張るけれど、魅力的な商品が目白押し。何しろ”輸入”食品ですから、現地ではもっとお手頃な値段で手に入るかもしれませんが、日本に居ながらにして諸外国の庶民の味(?)が味わえるので、輸送費や関税などの分値段が高くなっていても、おトクな贅沢かもしれませんね。

 

沢山の商品が所狭しと並ぶ輸入食品店。でも、何でもかんでも日本に輸入できるわけではありません。これは国内に病原菌や寄生虫などを持ち込ませないためで、水際、つまり税関できっちり取り締まられています。正確に言うと食品検疫局という、厚生労働省管轄の機関が国内に入る食品類をチェックしていて、そこで許可が降りてから初めて、税関で輸入申告に入ることができる、という流れになっています。

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その可能性は無限大?海上輸送のポテンシャル

2017.06.13/

風を受けて走る帆船。
(掲載元: Wikipediaより)

 

 

人々は古くから船を使って荷物を運んできました。港の側に街は栄え、たくさんの文明もそこで生まれてきました。燃料を使うことの無い帆船やいかだなどの時代から、現代では大きな石油タンカーやコンテナ船、LNG船やLPG船などの液化したガスを運ぶ船、自動車の運搬専用の船など、有形・無形、実に様々なものを運ぶための船が活躍しています。

 

今もなお廃ることの無い船での輸送。理論上では、船というものはどこまでも大きくできるそうで、まさに無限の可能性を秘めた輸送機器と言えるのではないでしょうか。そんな万能とも呼べる船での輸送にも、弱点と言えるものがいくつかあります。

 

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貨物専用機と旅客機の貨物スペースの違いについて

2017.06.06/

 

こちらは貨物専門の航空会社、日本貨物航空の飛行機です。
(掲載元: 世界の旅客機図鑑より)

 

 

ハンドキャリーも、行く先や航空会社によって荷物の大きさや個数に制限があることがありますが、一般に貨物の高さ制限は、海上輸送ならば210cm、航空輸送ならば160cm、と言われています。その根拠となるのは、海上輸送ならば、高さが210cm以上あると、通常のドライコンテナの入り口から入れられないからです。例外としては、リーファー(冷蔵/冷凍)コンテナならばより入り口は狭く、ハイキューブ(背高)コンテナならばもう少し背の高い貨物も運べます。更に言えば、コンテナ船以外の船に載せるという選択肢もあるので、大きな貨物に関して船は、無限の可能性があると言っても過言では無いのではないでしょうか。

 

一方、航空輸送となると、高さが160cmであっても載せられない事があります。そもそもこの160cmというのは、一般的な大きさの海外へ行く旅客機の貨物スペースに合わせた大きさなのであり、あくまで目安となる高さなのです。航路により使用される機材も違うことから、160cmでは背が高すぎる場合もあります。そういった機材をナローボディーと呼びます。 (さらに…)

梱包資材の進化

2017.05.30/

段積みできるのは丈夫な証拠。
トライウォールはその丈夫さゆえ、この様に大きな箱に加工されることが多いです。
(掲載元: (株)丸忠 商品ページより)

 

 

物流の発達を語る上で、梱包資材の進化は忘れてはならない大切なキーワードです。

 

とある物流企業が、TVCMで「運べないものはない」と言い切っているのに私は驚きを隠せませんでした。そう語っていたのは日本でもトップクラスの大手物流企業でしたが、中小の企業では、今まで運んだ経験のないものやあまり運んだことのないものをお客様から頼まれた時、かなり前から下準備をしたり、様々なところにお伺いを立てたり、或いは泣く泣くお客様に別の業者を当たって頂くようにお願いする羽目になる時もあるのです。そういった場面に遭遇してきたが故、「運べないものは無い」と言うCMを、「ホントに?!」という半信半疑な気持ちですとか、「やはり大手は違うな」という羨望の眼差しで見つめていたものでした。

 

確かに、それだけ大手はたくさんの知識や経験やネットワークもあるので、顧客のどんな要望にも応えうる”力”があります。しかし、輸送の技術やノウハウも勿論重要且つ不可欠ですが、不可能だった輸送が可能になった影には、梱包資材の進化が強く関わってきたことをご存知でしょうか。

 

 

運べないものが運べるようになった、というのとはまた違いますが、手始めに今日は、一番身近な梱包資材の進化のお話をしましょう。

 

宅配便で荷物を送る時によく使う、ダンボール。コンビニやスーパーで、余っているダンボール箱を無料で譲ってもらったことのある人もいるかと思います。軽い菓子類などが入っていたダンボール箱と違い、ペットボトル飲料の入っていたダンボール箱(カートン)は、固く破れにくくできていますよね。それは決してダンボールの素材が別物なのでなく、ダンボールが二重になった、”ダブルカートン”になっているからです。国内輸送は、飲料など中身が重いものでなければシングルカートンで流通できますが、輸出用梱包は基本このダブルカートンの箱が使用されます。中国などですと、未だシングルカートンでデリケートな商品を輸出しようとしてダメージが起きる、というのが結構起きていますが、日本の企業は大抵ダブルカートンの箱で輸出するところが多いです。

 

 

耐水性もあるトライウォール。
断面は猫の爪とぎの様ですが、実際に触るとその丈夫さに驚きました。
(掲載元: (有)泰永ダンボール HPより)

 

このダブルカートンも十分丈夫ですが、更にダンボールを3枚以上重ねた梱包資材があります。これが”トライウォール”という素材です。

 

何故そんなにダンボールにこだわったのか。丈夫さを求めるなら、従来からある木箱で十分じゃないか。そう思う人もいるかもしれません。しかし木箱は、虫がついてはいけないので燻蒸したりする必要があります。燻蒸の必要のない、合板素材の木箱もあります。ですが木材よりダンボールの方が、軽いのです。軽いと何が良いかというと、取り扱いが楽になるという面も多少あるかもしれませんが、何より良いのは、航空輸送で運んだ場合、運賃が安い事です。

 

航空輸送は、中身の商品を含めた貨物の総重量を元に運賃が計算されます。容積重量が総重量より重い、つまり、簡単に言うと”かさばる荷物”だった場合は、容積重量が運賃計算に適用されますが、基本的には総重量です。だから、軽い方が安く運べるのです。

 

木箱と比べて25-30%ほど軽いと言われているトライウォールですが、紙でできているのに水にも強い加工がなされています。なので航空輸送だけでなく、海上輸送にも適しています。

 

 

なんと!このパレットはトライウォールで出来ているんです。
車も載せられてしまうんですね!
(掲載元: (株)タカムラ産業 HPより)

 

一度このトライウォールを実際触ってみたことがあるのですが、「コン、コン」という乾いた音がする、とても紙でできているなんて信じられないほど丈夫な資材でした。幅が2メートルもあるかと思われる大きな箱でしたが、中に重い機械を入れていても全くたわむこと無く、フォークリフトで運びやすいように下は下駄を履いていました(箱にスノコのような足が付いている事。)が、全体を支えるその足までトライウォールで出来ていて、なんだか感動しました。

 

トライウォールが生まれたのは1952年。アメリカでのことでした。もう随分昔です。最新の梱包資材と言うには少し年を取りすぎているかもしれませんが、開発された当初から、新時代の梱包資材として脚光を浴びました。しかしながら、その魅力はまだ未知数。未だに注目を集め続ける、可能性を秘めた梱包資材と言えるでしょう。

業界新聞のおハナシ

2017.05.23/

一般紙よりは敷居が高いと思われる業界新聞。しかし、物流専門ならば、意外と身近な記事も載っているんです。
(掲載元: 朝日新聞HPより)

 

 

みなさんは、業界新聞をご覧になったことはあるでしょうか?音楽業界専門の新聞や、ネジだけを扱った月刊誌、この世の中には実に数え切れないほど、そしてその業界から見れば”一般の方々”にはなかなかお目にかかれないような専門誌がたくさんあります。その多くが週刊か月刊で、自分の会社が製造している製品や扱っているサービスに特化した新聞を、購読していらっしゃる企業は多いかと思います。一般の大衆的な新聞に比べ購読料が高額なこともあり、個人で購読されている方は少ないのではないでしょうか。

 

そして、物流業界にも専門誌が存在します。私が読んでいたのは勤めていた会社が買っていたからでした。社内で回覧するのですが、なんと物流に関することだけ書いてあるのに、その新聞は日刊紙でした。毎日毎日、よく新しいネタがあるな!と、読み始める前は思っていたのですが、読んでいるとその訳が分かってきました。

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航空会社のサービスレベル

2017.05.16/

キャビンアテンダントの授業を受ける学生。初心忘れるべからず、ですね。
(掲載元: 国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校 HPより)

 

ひと月ほど前でしょうか。ユナイテッド航空が乗客を引きずり降ろした事件を皮切りに、航空会社のサービスに関して今、世間の注目が高まっていますね。以来、同航空会社が少女がレギンスを履いていたことがドレスコードに反するとして搭乗を拒否したことが蒸し返されたり、アメリカン航空が母親からベビーカーを没収した騒ぎや、全日空の機内食がバナナ一本だけだったことなどなど・・・。メディアは次から次へと”不祥事”を吊るし上げ、その分情報を受け取る側の私たちも、最近は特に敏感になっているかもしれません。

 

ここでその数々のニュースの実態や各社の対応の是非を語ることはしませんが、今後の航空会社のサービスのランク付けに、報道が影を落とすことは想像に難くありません。しかし、その乗客サービスとは別に、貨物の取り扱いに関しても、各航空会社のサービスレベルがフライト選定に影響を及ぼしている事はご存知でしょうか。

 

航空貨物輸送代理店が混載を組むとき。あまりフライトを選べない程就航している便の少ない仕向先でなく、週に何本か日本から飛行機が飛んでいる様な、例えば中国各地の空港や、デイリー便がある香港や上海、シンガポールなどであれば、いくつかの混載便からフライトを荷主が選ぶことができます。基本的には早く着くものは値段が高く、少し時間がかかったり、経由便だったりすると値段が下がるので、貨物の緊急度合いを考慮してフライトが選ばれます。

 

グラウンドハンドリングの様子。チーム一丸となって迅速丁寧に作業を行います。
(掲載元: Aviation Wire 2014.03.04記事より)

 

でもフライトの早い遅いだけでなく、貨物の取り扱い方が雑な航空会社で混載を組むのはダメージやミッシングの原因となる可能性が高まるので、作業のクオリティーも鑑みて、輸送代理店はお客様に対しフライトプランを提案します。特にヨーロッパ各国やアフリカ大陸など遠方ともなると、色々なルートで仕向地に向かう方法があるので、数多あるフライトの中からその航空会社を選ぶのには、安心して貨物を託せることも大切な要素です。

 

以前、もう10年以上も前になるでしょうか。これもまたニュースで、小さな箱に入った貨物を航空会社のグラウンドハンドリングのスタッフが、遊んでいる様に放り投げながら取り扱っている姿が報道されました。前職がグラウンドハンドリングのスタッフだったと言う知人に、例えばfragile(ワレモノ)のラベルが貼ってある貨物はどんな風に扱われるか訊いてみたことがありました。すると、「ラベルを見たら気を付けるが、でも、”気をつける”程度」だと言う答えが返って来たので驚いてしまいました。私はてっきり、ワレモノはワレモノで分けて衝撃を吸収してくれる様な特別なコンテナに入れるだとか、そうでなくても他の貨物とは違ったひと手間を掛けられているものだと思っていたのです。

 

場所は変わって国内物流の現場では、ワレモノラベルが貼ってある貨物に対して、上に別の貨物を乗せないだとか、安定した場所に置きましょうだとか、個々の教育や現場職員たちの間での注意喚起が頻繁に行われています。最終的にはその”個々”に取り扱い品質の全てが委ねられるが故、企業はその個々人の意識を高める努力をしています。それがその会社のクオリティーとなるからです。

 

グラウンドハンドリングを行なっていた彼女も、恐らくそういった教育は受けていたでしょう。しかし、デリケートな貨物の取り扱いが特別なメソッドでなく、ひとりひとりの意識に委ねられているところが大きい様に感じたため、私の質問に「気をつける程度」と答えるに至ったのではないでしょうか。

 

飛び立つ旅客機に向かって手を振る作業員。
(掲載元: Aviation Wire 2016.03.04記事より)

 

ハンドキャリーの様に、託された人間が”自分の荷物”と思って大切に運ぶことができれば、その輸送企業はどんなに信頼してもらえるだろうか、と考える事が時々あります。街から街へ、人から人へ、手から手へ。そこに同じクオリティーを求めるのならば、確かな理念や確立された教育方法が必要です。伝言ゲームの様に始めと終わりで形が違ってしまっていては、企業への信頼度が変わってきます。

 

今般の報道の数々も、その会社の皆が皆、同じ理想や信念を抱いていたのなら、こんな事は起こらなかったのではないでしょうか。同じ考えの人間ばかりが必要とは思いませんが、一番大切な「お客様の立場に立って考えてみる」と言うことを、忙しいさ中も、それぞれが忘れずにいられたら事態は変わっていたのではないかと思うのです。

フライト・スプリット

2017.05.09/

旅客機を縦に輪切りにしたような模型。客室の足元に貨物スペースがあります。
(掲載元: Wikipedia エアバスA300参考画像より)

 

航空貨物は一人の荷主からひとつの荷受け先に貨物を送る時一つの航空便のスペースを押さえた(1 Master Air Waybill)としても全ての貨物が同じ飛行機に載らない事があります

 

フライト・スプリットと呼ばれますが輸入側では1 Master Air Waybill(1MAWB)上の全ての貨物が輸入側の空港に着いたことが確認されなければ輸入通関の手続きに入ることはできません特に緊急貨物で到着地で今か今かと待っている時にスプリットになったりすると段取りを付け直さなくてはなりません

 

夜ならば通関士の人にも居て貰うようにしなければならず、それだけで人件費がかかります。それに空港というのは大抵辺鄙な所にあるので、帰りのタクシーも要るでしょう。

 

到着後に貨物を載せるトラックも、例えば日本国内ならばあまり待たせると”待機料”というものが掛かります。緊急貨物なら、荷受先の住所が近隣のものを集めて載せた混載トラックなどでなく、チャーターのトラックを手配します。チャーターなら飛行機の到着時間に合わせてトラックが荷物を受け取りに来てくれ、目的地に直行してくれるので、混載トラックより早く荷物を届けられ、到着時間の指定などもできます。もちろん混載トラックより料金は高くつきます。

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航空貨物の荷送り人としての信頼

2017.05.01/

航空輸送の混載便は、混載業者である国際貨物代理店がMaster Air Waybill(MAWB)の荷送り人となり、多くの実荷主の荷物をまとめて1MAWBとして、航空会社に対し航空便のスペースを予約します。航空輸送は貨物の重量、もしくは容積重量のどちらか重い方が料金計算の基準となり、その料金計算の基準となる重量が重ければ重いほど、1キログラム当たりの料金は安くなります。よって1MAWBに対し、実荷主が荷送り人となるHouse Air Waybill(HAWB)の数が多ければ多いほど混載業者の儲けは大きくなります。

 

多くの貨物の輸出の仕向地となる各国の主要都市への航空便は、予めスペースを押さえておく業者も多くあります。
(掲載元: (株)パソナ 貿易キャラナビTladyより)

 

混載業者も大手ともなれば、台北、香港、中国の上海、青島(Qingdao)、深セン(Shenzhen)や、シンガポール、ローマ、ヒューストン、ブリスベン、バンコクなど、世界各国の主要都市へ向かう飛行機のスペースを予め押さえておき、通関日当日、実際にその仕向地に対して集まった貨物の重量と個数・サイズが分かってから改めてスペースを予約し直したりします。

 

しかし、このフォーキャストでの予約が泣き所なのです。
航空貨物は知っての通り緊急を要するものが多く、船便に間に合わなかったものや、船の遅延や欠航によって急ぎ必要になったものを送ったりすることも多いので、通関日当日に出荷依頼が入ってくることもよくあります。

 

この様なコンテナに貨物を入れて航空機に搭載する場合もあります。
(掲載元: ケイヒン(株)HPより)

 

前述の通り混載業者としては貨物をできるだけ集めたい。だったら大きめにスペースを取っておいたら良いではないか、と、そういう訳にもいかないのです。航空会社にしてみれば、大きめにスペースを取られていたものが、フライトが近くなってやっぱりそんなにスペース要らなかった、となると、航空会社の売り上げに響きます。早めにその混載業者の荷量が確定して余分だったスペースが空いていれば、取れた別の荷送り人からの予約もあったことでしょう。そこは緊急性の高い航空貨物の現場。仕方ないことといえば仕方ないですが、その中で各者が生き残っていくには、仕方ない、とは言っていられません。

 

大幅な荷量の減量が相次げば、MAWBの荷主である混載業者の信用が低くなり、予約が取りにくくなります。かと言って少なく取っておけば実際多かった時に増えた分のスペースが押さえられなかったりもしますし、そうなると混載業者自身の儲けが少なくなります。航空会社としても、多くの貨物を集めたいがあまりにも不安定なブッキングを入れてくる荷送り人を信じ過ぎれば、痛い目に遭う。そういうジレンマの中を各者が生きているのです。

 

こちらは旅客の手荷物の入ったコンテナ。チェックイン時に預ければ、ハンドキャリーの貨物もこういうものに入れてから航空機に乗る場合もあります。
(掲載元: 羽田空港グランドサービス(株)HPより)

 

特にスペースタイトな仕向地の時は要注意。いつ、どの仕向地へのフライトが混んでいるかは、大手の混載業者をコンスタントに利用していると、情報をメールマガジンの様に配信している業者もあります。各社のホームページからも見れたりするところもあります。でも、そんなことをする前に、単純に着地側の連休前後は混む事が予想されます。中国で言うと中秋節・国慶節や旧正月前後ですね。その頃は中国のどこの都市へ行く便もパンパンです。旅客便しか就航していないところに向かう便をブッキングしようとしたら、家族と休暇を過ごす為に飛行機に乗る旅客の貨物だけでいっぱいで、貨物予約は受け付けられない、という事もあったほどです。休暇が始まる一週間も前に予約しようとしてその状態だったのです。これは荷送り人としての信頼とは別の話ではありますが、その位ブッキングが難しい時期だという事を知っておいて損はないはずです。

 

今回は主に混載業者を主役にしてお話ししましたが、混載業者でなくとも、例えば商社やメーカーで、MAWBの荷送り人となる時は気を付けなければいけません。特に大きなスペースを押さえる時は慎重に予約するべきです。メーカーから送られてきた貨物が実検量値と大幅に違っていた時。入荷するはずの商品の生産が間に合わなかった時。実荷主がMAWBの荷送り人となるのは余程の緊急貨物でしょうが、何度も荷量変更やキャンセルをしてしまえば、荷送り人としての航空会社からの信頼を、失いかねないことになるやも知れません。

貨物を盗難から守るには〜海上貨物編

2017.04.18/

〈イメージ画像〉コンテナシールとは正にこのテープの様に、封が開けられたことが分かる様にするためのものです。
(掲載元: タニムラ(株)HPより)

 

 

先日は航空貨物のセキュリティーについてお話ししましたが、海上貨物にも盗難の危険は潜んでいます。

 

一番一般的な貨物の海上輸送方法としてコンテナ船による輸送が挙げられますが、あんな頑丈な箱に入って船に乗ってやってくるものの中身が、いつ、どうやって被害に遭うのか不思議に思われるかもしれません。

 

コンテナは、荷物を詰められ輸出通関の許可が下りた後、きちんと封をされます。そして、保税貨物となったコンテナの中身に一切触ることが出来ないよう、”シール”と呼ばれるものが扉に付けられます。シールにはひとつひとつ固有番号が書かれており、それはB/Lにも記載され、どのコンテナ(コンテナ番号)が、どのシール(シール番号)で封され、どこの誰から誰に送られるかは、書面上にしっかり記されます。コンテナの扉をもし開けることができたとしても、扉を開けると必ずこのシールに開けられた形跡が残るため、不届き者の悪事はすぐにバレてしまうようになっています。おまけに通関許可の下りたコンテナはすぐにセキュリティーの厳しい港のコンテナヤードに運ばれ、船に積載されるわけですが、航空輸送と違い貨物がむきだしでなく、一度コンテナに積んでしまえば、輸入通関の許可が下りるまでコンテナに入ったままです。

(さらに…)

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