食品のみならず!守られている私たちの食の安全

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食品のみならず!守られている私たちの食の安全

2017.06.27/


  • 輸入食品のお店。
    珍しいものが沢山並んでいるので、筆者もよく行きます。
    (掲載元: タウン情報ラズダweb KALDI COFFEE FARMゆめタウン出雲店 店舗情報ページより)

 

  • 最近は大型ショッピングモールや大きな駅の近くなど、そこかしこに輸入食品のお店が沢山出店していますね。普段行く様な国産の生鮮食品を多く扱うスーパーとはまた違った品揃えに、見ているだけでワクワクしてしまいます。どういう素材でできているのか、どんな味がするのか、見当もつかないような外国のお菓子や、オーガニックのお茶など。少し値は張るけれど、魅力的な商品が目白押し。何しろ”輸入”食品ですから、現地ではもっとお手頃な値段で手に入るかもしれませんが、日本に居ながらにして諸外国の庶民の味(?)が味わえるので、輸送費や関税などの分値段が高くなっていても、おトクな贅沢かもしれませんね。

 

沢山の商品が所狭しと並ぶ輸入食品店。でも、何でもかんでも日本に輸入できるわけではありません。これは国内に病原菌や寄生虫などを持ち込ませないためで、水際、つまり税関できっちり取り締まられています。正確に言うと食品検疫局という、厚生労働省管轄の機関が国内に入る食品類をチェックしていて、そこで許可が降りてから初めて、税関で輸入申告に入ることができる、という流れになっています。

  • さてさてこの食品類のチェック。”食品検査”という名前ではありますが、食べられないものでも食品検査が必要な物があります。何だと思いますか?なんだかなぞなぞの様ですが、答えは、例えばお箸などの食器やお弁当箱、水筒など、食品に直接触れるものも検査が必要なのです。錠剤のお薬の、薬が直接入っているシートや、今流行りのキャラ弁を作るキットなども、口に入れるものにに直接触れる為、食品検査が行われています。つまり食品に直接触れたりする物や、それ自体を口に入れるような物は、食品検査に合格しなければ日本国内に入れることができません。

 

 

 

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    お箸は口に入れるので、勿論食品検査の対象です!
    (掲載元: 銀座夏野 商品ページより)

 

 

具体的な検査の仕方を挙げると、素材そのものの安全性はもちろん、例えば木製のお箸など表面がコーティングされている物であれば、表面を削ることができれば削って、その安全性を確かめます。コーティングされているにもかかわらず削ることができなければ、食品検査の結果報告書である「成績証明書」にその旨を記載しなければなりません。そして荷主は、どこの誰がこの製品を作ったのかを書面で明らかにする事も必要です。

 

  • 輸入時に行われるこの検査は、当然保税倉庫にある実物を検査するわけですから、通関業者と検査機関の人で待ち合わせて、該当の貨物を持ち出しに行き、検査し、検査機関が成績証明書を作り、荷主からその製品の生産工場の所在地などを示した書類をもらって初めて検疫所に申請に行きます。そしてこの書類審査がまた厳しい!厳しいというより、細かい!以前通った書類と同じ書き方をしても、検疫局の担当の方によって、ダメ出しのポイントが違ったりします。それほど毎回細かく精査されているのです。その上検疫所が混んでいるシーズンであれば、書類を見てもらうまでにまず結構時間が掛かります。こういった食品検査をしたいものは航空輸入でサンプルを先に送り、審査が通り、後で船で商用のものを輸入することがあるのですが、船がもう到着するから申請を急がねばならないのに、混んでいてなかなか、という時は、本当にヒヤヒヤするものです。航空輸入で送ったサンプルの食品申請を元に、海上輸入で入ってくる商品の輸入申告を行うからです。

 

 

 

国内輸送では、トラフグを生きたまま水の入った袋に入れて運べるんです。鮮度抜群!
(掲載元: とらふぐ公式サイト とらふぐネットより)

 

 

とは言え非食品の申請ですから、生鮮食品の食品申請を思えばまだマシかもしれませんね。食品申請は検疫局に先に申請に来たものから順に行われていくので、それが食品であろうと非食品であろうと、順番は前後したりしません。公平ではあるのですが、それが生鮮食品であったら、一刻も早く輸入元に届けたいでしょうから、無事に届いたのが確認できるまで緊張しっぱなしですね。

  • 現状、輸入食品のお店は生鮮食品はほぼ置いていません。どこかのお金持ちの方がハンドキャリーを使って、個人でお気に入りの海外の食品を輸入している可能性は無いとは言い切れませんが、今一般の人々が口にできるのは、冷凍の魚や肉や、日持ちのする農産物くらいではないでしょうか。

 

 

  • しかし、以前お話しした梱包資材の進化によって、生鮮食品の輸送も全くの夢ではなくなって来た様に思います。進化はまず国内から、生きた鮮魚を運ぶ方法が開発されたのをニュースで目にしました。そういったノウハウや技術が発達し国際輸送にも応用されれば、フレッシュな輸入食品が店頭に並ぶのも、遠い未来の話では無いかもしれません。

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