中国における「危険化学品の輸入」基礎知識

ある化学品が「危険化学品」に該当するかを判断する前に、まず以下の概念の違いを理解しておく必要があります。危険品は「危険貨物」「危険化学品」「 危険貨物かつ危険化学品」の3種類に分けられます。
輸送中に爆発性、引火性、腐食性、有毒性などの危険性を持つ物質であり、通常は「国際海上危険物規則(IMDG)」や「国際航空運送協会(IATA)の危険物規則」に基づいて識別されます。
輸送時にも危険があり、かつ中国の基準において「危険化学品」に該当する物質。輸送法規と化学品管理法規の双方に適合する必要があります。
輸送上の危険貨物には該当しない場合でも、中国国内での使用・保管・廃棄時に危険性があると判断される化学物質。
中国における「危険化学品」とは、毒性・腐食性・爆発性・可燃性・酸化性などの性質を持ち、人の健康・施設・環境に危害を与える化学物質を指します。
中国では、国連の「GHS制度(Globally Harmonized System)」を基に、中国独自の分類・表示基準を制定しています。この制度により、化学品の危険性は以下のように分類されます:
物理的危害
16種類
(例:可燃性、爆発性、酸化性)健康的危害
10種類
(例:急性毒性、皮膚腐食性、発がん性)環境的危害
2種類
(例:水生環境有害性)これらの分類に基づいて、「危険化学品判定原則(危险化学品确定原则)」が定められて います。青文字で示された項目に該当する場合、その化学品は中国において「危険化学品」と見なされます。 「危険化学品判定原則」
例えば、今回輸出しようとしている貨物の安全データシート(SDS)の第二部分の危険有害性の要約に、[生殖毒性区分2]、[特定標的臓器毒性(単ばく露) 区分1]、[水生環境有害性短期(急性)区分1]、[水生環境有害性 長期(慢性)区分1]が青文字の項目に該当するので、この化学品は危険化学品と判定されます。
注意点:すべての危険有害性が青文字に該当する必要はなく、危険有害性のいずれかが青文字部分に該当する場合、その化学品は危険化学品として分類されます。
(SDS例)
(危険化学品判定原則例)
「危険化学品目録2015」は、中国国家安全生産監督管理総局によって公布された法的効力を持つ公式文書です。この目録には、中国政府により「危険化学品」と認定された具体的な化学物質の品目が列挙されています。中国への化学品輸出を検討している日本企業にとっては、対象製品が本目録に含まれているかどうかを事前に確認することが不可欠です。「危険化学品目録2015」
化学品が「危险化学品」に該当するかどうかは、SDS(安全データシート)やUN番号などを参照して判断します。
中国国内で危険化学品を輸入・販売するには、「危险化学品经营许可证」の取得が必要です。
初回輸入前に危険化学品登記証を取得する必要があります。
以下のル一ルに従って登録を行います:
通常、1ヶ月前後の登録準備期間が見込まれます。輸出前に余裕を持って準備を進めることが重要です。
中国での危険化学品輸入は制度が厳しく、手続きも複雜です。輸出前にしっかり準備することで、トラプルを未然に防ぎましょう。
当社は上記に関するすべてのサービスを代行することができます。
どうそお気軽にお問い合わせください。