「輸送条件鑑定書」

「輸送条件鑑定書」は、中国独自の制度に基づく書類であり、中国国内の鑑定機関が発行します。製品が国際輸送において危険貨物に該当するかどうかを判定する役割を持ち、中国からの輸出手続きにおいて特に重要とされています。本記事は、「輸送条件鑑定書」に関する基本情報を整理し、お客様のご理解をサポートすることを目的としています。

1.「輸送条件鑑定書」とは

「輸送条件鑑定書」とは、中国国内の鑑定機関が発行する技術文書で、ある製品や物質が国際輸送において「危険貨物」に該当するかどうかを判断するためのものです。鑑定機関は、製品の成分や理化学的性質を分析し、国際航空輸送規則(IATA-DGR)、国際海上輸送規則(IMDGコード)などの規則に基づいて結論を出します。簡単に言えば、この書類は「その貨物が危険かどうか、どの分類に該当するのか」を証明する公式な根拠となります。

2.「輸送条件鑑定書」が必要となる貨物

  • 粉末状の貨物:スピルリナ粉末、各種植物エキスなど
  • 化学品:化学品は危険化学品と一般化学品に分かれます。実際に輸送されるのは多くの場合、危険物に該当しない一般化学品ですが、その証明として「輸送条件鑑定書」を求められることがあります
  • 油分を含む貨物:自動車部品(燃料残渣を含むエンジン・キャブレター・燃料タンク)、キャンプ用品(灯油・ガソリンなど可燃性液体を含む可能性あり)
  • 電池を含む貨物:電気製品や電動工具、電動車椅子、電動カートなど、電池に電解液などが含まれる場合
  • 液体・気体、またはそれらを含む貨物:温度計、気圧計、水銀スイッチなど、一部の機器に水銀など危険性のある物質が含まれることがあります

3.鑑定の種類

(1)化学鑑定

・内容:貨物の化学成分や理化学的性質(例:引火点、腐食性、毒性、反応性など)を実験室で検査・分析し、危険性を判定

・適用:サンプルを送付できる貨物

(2)現場鑑定

・内容:鑑定員が工場・倉庫・輸出現場に赴き、貨物や包装、提出資料を確認して危険性を判断

・適用:サンプルの送付が難しい貨物、たとえば:

 a.構造が複雑で複数の化学物質を含む大型設備

 b.包装方法や数量の違いによって危険性の判定が変わる可能性のある貨物

 c.サンプルが実際の出荷内容を正確に反映できない貨物

例:

製品カテゴリ
主な製品        
冷凍設備または部品
(冷媒を必要とする、または冷媒を含む可能性があるもの)
 冷蔵庫、空調、凝縮機(ユニット)、一部の圧縮機を含む装置または部品
内燃機関およびその他の動力装置を含む設備または部品 自動車、エンジン、発電機、動力ユニット、園芸工具(エンジン式)など
液圧装置を含む設備または部品 油圧ポンプ、油圧シリンダー、油圧ジャッキ、油圧工具など
気圧装置を含む設備または部品 打撃機、空気圧縮機、エアガン、緩衝器、減震器など
ガスボンベを含む設備または部品 各種ガスボンベ、呼吸器、消火器など
石油およびその他の化学製品を含む設備または部品 工作機械、油圧装置、大型変圧器、オイル、大型化工装置など
航空資材設備
救命衣、滑り台、酸素マスク、航空機タイヤなど

4.化学鑑定の流れ

5.現場鑑定の流れ

6.まとめ/注意すべきポイント

「輸送条件鑑定書」は国際輸送において貨物の危険性を判断する重要な書類です。安全や法規制の遵守に直結するだけでなく、必要な資料が不足して輸送が遅れるリスクを防ぐ役割も果たします。輸出を予定している企業は、貨物の特性に応じて「化学鑑定」と「現場鑑定」を使い分け、必要資料を事前に準備することが大切です。当社の中国現地チームは豊富な経験を有しており、お客様の手続きをスムーズに進められるようサポートいたします。


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