中国における

「化粧品の輸入」基礎知識

中国の化粧品市場は近年も持続的に成長しており、日本の化粧品はその品質の高さから多くの消費者に支持されています。一方で、中国での化粧品規制は年々厳格化しており、輸出を検討する企業の中には、「登録や届出は必ず必要なのか?」「ラベル表示はどのような規定に準拠すべきか?」といった疑問を抱える方も少なくありません。本記事では、中国の最新法規と実務を踏まえ、日本企業の目線から化粧品輸入に関する基礎知識をわかりやすく整理し、市場参入前の準備に役立つ情報を解説します。

1.化粧品とは?

「中華⼈⺠共和国化粧品監督管理条例」(以下「条例」という)の規定によると、化粧品とは塗擦、吹掛けその他これらに類似する⽅法により⾝体表⾯の⽪膚、⽑髪、⽖、唇などに使用させ、保護、美化、⼿直しの⽬的を果たす日用化学工業製品を指します。

2.化粧品の分類

化粧品は、「特殊化粧品」と「一般化粧品」に分類されます。

  • 特殊化粧品

    特殊化粧品は染髪⽤、パーマネント用、シミ取り⽤と美白、⽇焼け⽌め、抜け毛予防、および新たな効果のある化粧品が該当します。特殊化粧品を輸入する際には、特殊化粧品登録証の取得が必要となります。

  • 一般化粧品

    特殊化粧品以外の化粧品は、一般化粧品に該当します。一般化粧品を輸入する際には、一般化粧品届出手続を実施することが必要となります。

3.特殊化粧品の登録手続

「条例」によると、特殊化粧品登録証の有効期限は5年間になります。登録の有効期間が満了し、継続して登録が必要な場合は、有効期間満了の30営業日前までに更新申請を行わなければなりません。

4.一般化粧品の届出手続

5.中国国内責任者


登録申請者、届出者が国外にいる場合、中国国内の企業法人を国内責任者として指定する必要があります。

5.1中国国内責任者の義務

a.登録申請者、届出者の名義で、化粧品の登録、届出を行う

b.登録申請者、届出者が化粧品の副作用モニタリングと報告作業を展開することを協力する

    c.登録申請者、届出者が化粧品のリコールを実施することを協力する

    d.登録申請者、届出者との協議に基づき、国内市場に投入された化粧品に対して相応の品質安全責任を負う

    d.薬品監督管理部門の監督検査に協力する

5.2中国国内責任者が備えるべき条件

    a.法律に基づき設立された企業またはその他の組織であること

    b.申請する登録または届出の製品に適合した品質管理システムを有すること

    c.化粧品の有害反応(副作用)のモニタリングと評価能力を有すること

6.登録及び届出必要資料

  • 製品名に関する資料
  • 「化粧品登録届出情報表」及び関連資料 「化粧品登録届出情報表」例
  • 製品の実行基準に関する資料
  • 製品ラベルサンプル
  • 製品検査報告
  • 製品安全評価資料

7.ラベル表示


輸入化粧品は中国語ラベルを直接使用することも、中国語ラベルを貼付することも可能です。貼付する場合、中国語ラベルの内容は元のラベル内容と一致していなければなりません。

7.1化粧品のラベルには、下記の内容の明記が必要となります。

a.製品の中国語名、特殊化粧品登録証番号

b.登録者、届出人の名称、住所、登録者または届出人が国外企業である場合、国内責任者の名称、住所も併記

    c.生産企業の名称、住所

    d.製品の標準番号

    e.全成分

    f.内容量

    g.使用期限

    h.使用方法

    i.必要な注意喚起

    j.法律法規、および強制国家標準の規定により記載すべきその他の内容

    ※包装箱を有する製品は、内容物に直接触れる包装容器に製品の中国語名と使用期限を同時に表示しなければなりません。

7.2化粧品ラベルに、以下の内容を記載することは禁止されています。

    a.医療用語、医学有名人の名前、医療作用と効果を説明する言葉、または承認された薬品名を使用して、製品が医療作用を有することを明示または暗示する内容

    b.虚偽、誇張、絶対化された言葉を用いて虚偽または誤解を招くような記述をすること

    c.商標、模様、字体の色の大きさ、色の違い、語呂合わせまたは暗示的な文字、アルファベット、中国語ピンイン、数字、記号などを利用して医療作用を暗示し、または虚偽の主張を行うこと

    d.科学界で広く認知されていない用語、メカニズムを使用して概念をでっち上げ、消費者を惑わすこと

    e.虚偽の情報をでっち上げ、他の合法的な製品を軽視するなどの方法で消費者を惑わすこと

    f.架空、偽造または検証不可能な科学研究成果、統計資料、調査結果、ダイジェスト、引用語などの情報を用いて消費者を誤解させること

    g.使用する原料の機能を主張することにより、製品が実際には有していない、または主張することを認められていない効果を有しているように示唆すること

    h.関連業界の主管部門が確認していない標識、奨励などを使用して化粧品の安全および効果に関する主張および用語を行うこと

    i.国家機関、事業単位、医療機関、公益性機関などの機関およびその職員、招聘した専門家の名義、イメージを利用して証明または推薦すること

    j.効能、安全性について断言または保証をすること

    k.低俗な内容、封建的な迷信またはその他の反社会的で公序良俗に反する内容を表示すること

    l.法律、行政法規と化粧品強制国家標準で表示が禁止されているその他の内容

7.3その他、ラベルについては、以下のような要求がなされています。

a.化粧品の最小販売単位にラベルがなければならないとされています。ラベルは関連する法律、行政法規、部門規程、強制的な国家標準と技術規範の要求に適合しなければならず、ラベルの内容は合法、真実、完全、正確であり、かつ製品登録または届出の関連内容と一致しなければなりません。

b.化粧品のラベルは明瞭、丈夫、判読しやすいものでなければならず、印字が落ちて、貼り付けがしっかりしていないなどの現象があってはなりません。

c.化粧品には中国語のラベルがなければなりません。中国語のラベルには規範漢字を使用しなければならず、その他の文字または記号を使用する場合は、製品販売包装の可視面に規範漢字に対応する解釈説明を記載しなければなりません。ただし、ウェブサイト、国外企業の名称と住所、および一般的に使われている専門用語などにその他の文字を使用しなければならない場合を除きます。

d.中国語のラベルを貼り付ける場合、中国語ラベルの製品安全、効果に関する主張の内容は元のラベルの内容と一致しなければなりません。

e.登録商標を除き、中国語ラベルの同一可視面上の他の文字フォントのサイ ズは、対応する規範漢字フォントのサイズ以下とする必要があります。

f.2021年9月30日「児童化粧品監督管理規定」が発表されました。2022年5月1日より、登録申請または届出を行う児童化粧品は、「規定」に従ってラベル表示を行う必要があります。

g.児童化粧品は販売包装の表面に国家薬品監督管理局が規定する児童化粧品マークを表示しなければならないとされています。

h.非児童化粧品に児童化粧品マークを表示してはいけません。

i.児童化粧品は「注意」または「警告」を見出しとして、販売包装の可視面に「成人の監護の下で使用すべきである」などの警告用語を表示しなければならないとされています。

j.子供向け化粧品ラベルには、「食品級」「食用可」などの言葉や食品関連の模様を表示してはいけません。

8.まとめ/注意すべきポイント

中国への化粧品輸入は、「特殊化粧品」と「一般化粧品」の分類によって必要な手続きが大きく異なります。さらに、中国国内責任者の選定やラベル表示など、実務上のハードルも少なくありません。中国市場への参入を計画する場合は、少なくとも 半年~1年前から準備を開始することが安全 です。また、中国の法規制は頻繁に改正されるため、常に最新情報を把握し、専門家のサポートを得ながら進めることが不可欠です。


当社は中国に現地法人を有し、中国法規に関する最新情報をリアルタイムで把握しています。これにより、貴社の中国市場進出をスムーズかつ効率的に支援できることが、当社の大きな強みです。

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